舞根森里海研究所の竣工式 @気仙沼市唐桑:The ceremony to celebrate the completion @Kesennuma


2014年4月26日。西舞根で行われる竣工式に向かうため、初めて気仙沼を訪れました。 東京では散ってしまった桜が満開です。 DSC_0017 DSC_0006「舞根森里海研究所」は、日本財団の助成とルイ・ヴィトンの支援、京都大学フィールド研究所のタッグで、震災で流されたかっての研究所のあったほど近くで再建されました。記念すべき竣工式に出席するため、私は震災後初めての東北へ。 DSC_0029     ウミネコの鳴き声だけが聞こえるリアス式海岸の静かな入り江に、真新しい場所ができました。 DSC_0058森は海の恋人の畠山重篤理事長と元NHKアナウンサー住吉美紀さんのトークセッションで、 牡蠣の味は湾ごとにちがう、とおっしゃる実篤さん。改めて、オイスター・ソムリエ制度をつくりたい願いが強くなります。これができたら世界はもっと幸せになるんじゃないかな。住吉さんもワインとの近似に言及されていて、同じことを思うひとがいるのは、それが真実だからだろうと、心強く感じました DSC_0052一方で、ワインと生牡蠣の決定的な違いにも気づいたんです。生牡蠣にはVintageがない(ありえない)ので、今という時間を味わう食材です。その一瞬に共有できた、感性に裏打ちされた確かな感覚を楽しむことが生牡蠣だとすると、それは香道や俳句の世界にも通じます。 生牡蠣を味わうことには、美とか、空とか、日本特有の、禅にも似た姿勢があるのではないでしょうか。おこがましいかもしれませんが、日本人としての矜持を生牡蠣というメディアに感じた瞬間でした。 DSC_0062

そして、震災から3年を経たこの土地に、いまだ刻まれている津波のあと。あの時、壊滅状態になってしまった気仙沼市の魚町辺りを歩きました。屋台村の隣には、俳優の渡辺謙さんがつくったんだと地元の方が誇らしげに話してくれたK−port(http://www.k-port.org/)があります。その方のほんとうにうれしそうな紹介っぷりを見て、有名人パワーの正しい活用法を見ました(謙さん、さすが素晴らしいお方です)。

・・・この辺りを歩くと、壊れた家々に砂埃の空き地がつらなります。そして、何とも言えない「におい」があるのです。多くの人骨を感じました。この感覚は、言語化できない。訪れて、初めて知ることのできた現実でした。

震災に加え目に見えない原発事故の影響が重なる現実を受けとめて暮らしている町の様子と、資材を積んだトラックばかりが激しく行き交うこの金の流れの現実が、どこへ向かっているのか。それは私たちの生きているうちに見えるはずです。ここは、日本の未来の現場でした。

DSC_0068 優しい瞳の底に哀しみの成分を湛えた土地の人たちと言葉を交わしながら、愛する父を、4月13日に突然の事故で喪った私の気持ちが同調して、何かがこの地に溶けてゆくようでした。

DSC_0038すべてのはじまりの海。すべてはここから生まれます。これからも美味しくて安全な牡蠣がここから生まれますように。ブロンの母牡蠣もきっとここに生きているはず! 研究所と、関係される全てのみなさまの今後のご活躍と幸せを心から願っています。

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